急速な高齢化の進行もあり、介護のニーズが高まっています。しかし、その需要の高まりに対して供給が追いついておらず、業界全体で人手不足の問題を抱えています。これは、介護士の雇用形態にも大きな影響を及ぼしています。
実際に、介護業界で働くスタッフの半数以上は非正規雇用と言われています。具体的なデータもあり、入所・通所型の施設においてはスタッフ全体の約6割が正社員、残り4割が非正規社員であることに対して、訪問介護の分野では全体の約7割が非正規社員で占められています。
ですから、全体的に見て非正規の占める割合が高いこと、そしてその割合は施設や介護サービスの種類によっても異なる現状がうかがえます。そのため、非正規の介護士がこれから正社員登用を目指す場合には、できるだけ正社員の比率が高い施設や分野を選ぶ必要も出てくるのです。
この点は、施設が正社員登用の機会を設けているかどうかとも関わっています。あるアンケート調査によると、訪問介護系の施設で正社員登用の機会を設けているところは全体の約43パーセントほどなのに対して、入所型の施設では約66パーセント、通所型の施設では約44パーセントとなっています。
この訪問介護系と入所型の数字の差は、そのまま先述した正社員と非正規社員の比率にほぼ当てはまります。やはり夜勤や休日出勤を必要とする入所型の施設の方が、フルタイムで勤務する正社員へのニーズが高いのでしょう。
シフトなどの勤務環境をチェックすることも大事ですが、入所型の介護施設の求人を探していくのが正社員登用の近道となりそうです。